ストレス解消法

異性の現実に慣れていこう


昔から、理想のお姫様と理想の王子様とが共に実らせていく、
唯一の素晴らしいパートナーとの恋愛物語は数多く描かれてきました。衛生上の観点からも、
生涯、唯一のパートナーと結ばれることにはメリットも含まれています。
例えば、不特定多数の性的なパートナーを持たないわけですから、
エイズ等に代表される、性病に罹患する確率は一人一人に低くなることでしょう。
一夫多妻の制度下においては妻同士の利権争いが問題となってきましたが、
そもそもがこれの展開していく根拠さえまずもって無い、となるわけです。
しかし、人間を成長させる意味での恋愛経験について述べていくならば、
その長所と効能とは必ずしもこの限りではありません。

私の友人・知人の中にもいくらかはあったことですが、完全なるパートナーとの、
唯一の恋愛を求め過ぎる余りに本人はいい年齢を迎えているにも関わらず、
現実の異性との関わりらしい関わりを持ったことが無いとなるわけで、これでは困ることもあるわけです。
「さすがにこれではいけない!」と友達による紹介の形等をとっては異性に立ち向かいもするのですが、
ここで心の中に追求し続けた異性に対するイマジネーションが肥大化してしまい、場合によっては
これが強力な妨げとなって、生身の異性には病的な程に戸惑ってしまうのでした。
もちろん、これだけならば実に自然なことでもありますし可愛いものにも留まるのですが、
中には戸惑いの余り、生身の異性に対しては複雑で強烈な怒りをぶつけてしまう人もいます
そして、そこでは自分を神と見なすと同時に相手を下僕と見なす(尊大な自己)に近い、
酷く高慢で、失礼な態度でもって人に接してしまうことになるわけです。

残念ながら、あまりにも世間ずれした高貴な態度ではその人がその裏では望んでいる、
特定の異性との対等で親密な人間関係を結ぶことはありません


もちろん、生身の異性に対して貞淑であることも素晴らしいことではあるのですが、
――“世間ずれした高貴な態度でもって、異性に対して貞淑である状態”は女性に限らず、
   男性にも該当する表現として使用
しています。――
この点が現実の人間味に対しては無知であるの意味で過ぎるのであれば、これもまた、
異性に対する潔癖症に近い、偏った精神状態をもたらす点であるとして注意せねばなりません。

実際に私の知人女性と知人男性との間にあったことですが、初対面の男性に向かって女性の側が、
「何故、あなたは私の望むビジュアル系バンドの○○さんじゃないの?!」の感情に近い、
礼節を欠いた不満をぶつけたことがあったのです。当の女性は男女の交際経験も3ヶ月未満と少なく、
以来、彼女は自分好みの男性が身近にいる際にはこっそりとお洒落をして来たのですが、
そこではいつも、「今、お洒落をしている自分を魅入って貰っているかもしれない。」という、
一方的な心のときめきに従事するばかりでした。
しかし、10年近くもの間、夢の中の逢瀬だけにひたすら従事し続けたあまり、
現実の異性に触れた際は必要以上に減滅の感情を味わうようにもなっていた
のです。

多少はお洒落ではあるけれどもアイドルでも無く、一国のお姫様でもない、
自分の姿をありのままに眺めることの出来ない女性の一方的な言い分、
それが、この一般男性に向かっての「あなただけは経済的に破綻してでもいいから、
私には、あなた専属の超高級スタイリストを持ってでも接してちょうだい!」
でした。

上記の通り、“魅せることを専門職とする人々”を恋愛相手の理想として絶対的にのみ配置したとしても、
人間そのものを現実の生活上で実質的に労わる、等身大の人々を数多く見落としかねません。
ですから、「私には理想の○○様が心にいるのだから、大丈夫!
彼、若しくは彼女が具現化して私に現れるまで、
異性の格好のつかない面とは全く関わらなくってもいいわ♪」と考えるよりも、
現実の異性と関わっていく中につき合い方を身に着けていくことも大切です。その後、
この例え話に登場する知人男性は伴侶を見つけ出したのですが、ビジュアル的にはいささか、
彼よりはイケていたはずの女性は未だにこうぼやいているそうです。
「何故、仕事も料理も出来るこの私が結婚できないのよぅ!!(怒)(怒)(怒)」

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