ストレス解消法

本妻、愛人の悲しみ:不倫


「こう見えて私もね、色々あったのよ。不倫だってしたし。」
こう話してくれたのは30代前半で、結婚したばかりの女性でした。
もう、10年も前の話です。当時の私は20代前半、援助交際とも無縁だった人間ですから、
一瞬、恋愛の暗部に足を踏み入れた心象を味わいました。
世の中を知らない人間からするとお洒落の上手い、
年上の女性はそれだけで無条件に美しい人でした。
それなのにちっとも幸せそうには見えないし、笑っていても、
胸の奥につかえを察する歯切れの悪さを感じます。
そこには20代前半の者同士が意気投合する響きを越えない
むしろ、“ポジティブの下の後ろ向きが同時に香った”のです。

尚、自分の父親が余所に恋人を持って母親が悲しむ、
いわゆるあの構図を怖がっていたためか、私自身は終ぞ、
自ら、不倫に向かっての縁を繋がなかった人間です。(※ただし、経験者を責めてはいません。)
しかし、性格の不一致から迎えた失恋の直後、男女、
複数で遊んだ男友達の中の一人から何かの拍子にキスをされたことがあり、
嫌いな人でもなかったので内心、「恋愛に進んでもいいかな?」と思ったら、
その彼が、実際には彼女持ちの人間だったことが発覚したことはあります。
それ以上、妙なことにならないうちでよかったと安心したものの、
どこか気持ちの不安定な時期だったので、
多少はその気になっていた部分のショックもありました。
その上、一瞬の出来事でしたが、その男性を挟んだところに見ず知らずの、
どこかの女性と自分との配置される構図を思い描いてギクッとしました。

こういうのが楽しくて仕方が無い人もいるのでしょうけれど、
私は、相手を通して自分自身を追い出す気持ちになりました。
実際、例の年上女性もそうでしたが間もなく、
親しかった同世代の友だちが不倫関係へと突入し、
やがて、彼女も空笑いばかり見せるようになりました。
私は、こんなにも自分を傷つける不倫はやっぱり、大切な人にはして欲しくないと思いました。
いえ、つまりは不倫関係というものは自分を大切に思えない、
その間合いに始まってしまうものではないでしょうか
??
不倫関係に突入してしまう人自体がいけないということではなく
そこに突入する人は、そこで何かを学ぶために導かれるのではないかと、
私は何か確信めいた気持ちを持って思っています。

《余談》
ずーっと後になってから、ある知人に知らされたことですが、
当時、彼に彼女がいたというのは真っ赤な嘘だったそうです。あの頃、
勉強に興味を持ち始めた私には社会人学生の男友達が出来ました。
その人とは純粋に学問を語り合う関係であり、この時期、
そこには恋愛感情の入り込む隙もへったくれも無かったのですが、
たまたま、その人の存在が話題に出た途端に状況は、実は彼にも彼女がいるという流れに!
いや、私はこの彼にこそ、恋愛のスイッチを入れかけていたのですが、
そこで中断です。ただ、嘘か誠かの展開で後々、
私はその社会人学生さんと自然に恋仲となり、彼が生涯のパートナーとなりました。
一時、前者の彼には(彼女がいる癖に手を出すなんて)阿呆ーと思いもしたけれど、
後者のゆっくりと紡いだ恋愛は確かに自分に合っている気がするので、ここは百歩譲って、
僅かではありますが、僧侶に逢った気持ちも彼には持っているのです。σ(^_^;)
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