ストレス解消法

聴こえ方の男女差を知る


人間同士であっても動き方や、体のつくりは異なります。
ですから、ラジオから聴こえてくる音楽を共に聴き合ったとしても、
その“耳に入るもの”を一体、
どこをどのように“耳にしたのか”は聴き手の数だけ存在します。
冷静に考えると非常にわかりやすい摂理ではありますが、
そこに誤差や問題も生じるのは他者に対して、
自分と同じであることを期待する、
自己に対する共感性を求める者が人間存在であるためです。
言うなれば、他者をわかってみたいし他者にはわかって貰いたい、
そんな理解の深淵に至ることへの困難が示す、
[無理解]に対する足掻きと苦しみに苛まれるのが人間の生なのです。

一人の人間はそれだけの自分という、複雑な枠を持って暮らしています。
そんな私たちであったとしても子供のうちには素直でいられるのはその分、
まだ、“自分に限定的な体験の積み重ね”が非常に少ないためです。
これによって自分以外のあらゆる存在に対しても、
柔軟に許容できる範囲が閉ざされていないのです。

その一方で、純粋無垢な子供たちの成れの果てでもあるその後の、
成人たちや成人に近づきつつある者たちの場合にはむしろ、
自分という、複雑に編みこんで来た枠組みを今一度、意識的に別個で捉える、
努力と経過とを辿らなければ正式な他者理解には進むことが出来ません。

最低限、この一過程を経なければ私たち人間は間違いなく、自分以外のものとして、
純粋に他者や事実を認めるための決定的な判断を自らに下せないことでしょう。

特にやり慣れていない人にとっては面倒でたまらない過程ではありますが、
この助走部分を蔑ろにした上で他者と接する態度には悪意こそ存在しないものの、
何しろ、相手を相手として扱わずに自分と混同していて平気でいる状態ですから、
そこはかえって手酷く、他者の人格を否定するに等しい印象を与えているものです。

さて、コミュニケーションに影響を及ぼす程の、
“聴こえ方の違い”は男女の間にもあります。
この境界線は必ずしも、男女の間に引かれるべきものではないのですが、
子供を生み育てることの観点からもよりデリケートな目線を要求される、
女性独特の社会性を中心に今回は男女差として描いてゆきたいと思います。
社会共同体での伝達を介したサバイバルスキル(処世術、生き抜きの知恵)を古代より、
研磨してきた女性はどうしても、言語的に敏感となる成長を方向づけられるものです。
従って、女性が聞き分けるに得意な音の一つには言語が挙げられますし、
特に言語的意味や感情の認識においては女性の側が鋭くなるとなります。

ここで話題を変えますが、ベッドインした時の男女の間に交わされる会話の中には、
前もって「この部屋では声が、外に聞こえやしないか?」と尋ねる女性に対し、
それに向かって「大丈夫。だから、大胆になって。」と答える、男性の図式があります。

しかし、この時の男性の回答がかなりの確率で、
当てにならないことには問題もあります

例えば、普段、大きな音でテレビを視聴する生活習慣があったり、
イヤホンをつけることで限定された音を直に聞く癖のついた耳である場合、
彼には、ちょっとした難聴状態が自然となっていることがあるのです。
しかも、状況が状況であるだけに言語には限定的な意味でしか関心を払わない、
男性の感性はますます、
女性の気にする言語や音声を介した日常には疎くなっているのです。
この時、男性の言葉を鵜呑みにして安心し切った世事に疎い女性が、
何らかのきっかけで、自分の声が周囲にだだ漏れだった現実を後になって自覚し、
その時になって初めて、恋人の住居に近寄り難い心境を味わうことがあります。

それでも、小さなことだと特に男性の側は思われるかもしれませんが、
「性生活の奔放さ」という要素で男性以上に悪く言われ易いのが、
どちらかと言えば今の時点での女性に対する世の中の目線なのです。

実際、表向きは無難な別の理由を装っていたけれども、
この手のショックと気まずさとが災いして、
ひっそりと彼氏と別れた女性たちを私は知っています。
片や、男性たちは彼女たちよりももっとロマンチックな理由で、
自分たちの別れの理由を認識しているようですが、
こう嘆く、女性たちの声もよかったら知っておいて下さいね。

「もう!彼氏の家のご近所には行けないって感じ!
 まだ、結婚前だったからこうして寄らないで済む方法もあるよね。
 でも、結婚後だったら奥様同士での近所つき合いとか、絶対、
 すっごい気まずかったよ!悪く、変に思う人もいるじゃない?

例え、鉄筋コンクリート製の集合住宅であったとしても、
お隣の日常会話が聞き取れてしまうお部屋や、床下の会話が、
横になると聞こえてしまうお部屋は非常に多いそうです。当然のことながら、
聞かされる側にとっても心地のいいものであるとは限りません。
そうした人の中には腹立ち紛れに“アノ、声の大きいヒト”なんて、
あだ名と共に声の主を侮蔑した目線で眺める人もあるそうです。

男性にとっては痛くも痒くもなく、むしろ、嬉しいことであったとしても、
横槍の思いもよらない弊害が、巧妙に破局を方向づけることもあります。

こんなことも、カップルで話し合っておけるといいのかもしれませんね。
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