ストレス解消法

絆の源泉を探して (このサイトを始めた理由)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――恋愛へのパニックと否定

「彼が、プロポーズをしてくれたんだけどね・・・。」
ある日、私はこんな切り出しの恋愛相談を受けました。
知人が、紹介を通して知り合った男性との関係性について訴えたのです。
ただ、私にとってこの展開は意外でした。何故ならば、彼女は以前、
「彼は(私にとって)お友達って感じだねー。んー、(私の)恋愛対象じゃないよっ!」と彼女の方が、
彼とは一線を画して接している様子で知らせてくれていたために私自身、今になって彼女が、
彼の煮え切らない態度に腹を立てることがあろうとは思いもしなかったのです。
カップル未満であった渦中の両者はいいお友達として約3年間、
毎日、一度も欠かさずにメールを交し合って来たのでした。
そして、それは両者が知り合って3年目のある日のことでした。
双方の交流開始時には26歳だった彼女も今、自分の独身を気にし始めていたのでした。
それで、思い余って周りが身を固めていく中に強く味わっていた、
自分の中の焦りの感情を彼に向かってぶつけてしまったのです。
ただし、感情をぶつけたことそのものを責めるのではなく、
ここではぶつけただけになってしまった点に着眼していきます。

たぶんもう、彼女は「ああ、もう誰でもいいから貰って!」という気持ちになっていたのでしょう。
「ねえ。あなたどうして3年間もメール交換を続けていながら、
 当の私に対しては何のアプローチも無いのよ?!」

「それならば(あなたがそうおっしゃるならば)、結婚を前提におつき合いをしましょう。」
彼女が咎めたところ、彼はこう返して来たそうです。
でも、この“それならば”の前置きにカチンと来たのも彼女の側でした。
「それならばってチョット、・・致し方なくってこと?!何ソレ、酷い!最悪!
 そんな投げやりなプロポーズって絶対にあり得ないでしょう、普通!!」
「私がこんなに困っているのにどうして、私の望む、
 ムードのある極上のプロポーズや慰めをくれないの?冷たい!!!」
彼の方は“致し方が無く”という意味では使っていなかったのですが、
この点に耳を傾ける余裕を失っていた彼女はこの憤慨とパニックに対する共感を求め、
慌てて私に相談を持ちかけたようです。(※ 私のプライベートでのお話です。)

しかし、この両者のコミュニケーションには問題がありました。
3年間も時間を共にしていたにもかかわらず、このうちのわずか数回以外、
全て携帯メールでの交流に依存し切っていたのです。
両者の間には具体的な感情や表情の交わされることもなかったわけですから、
受信した文字の解釈にあてるための感情の材料は当然のことながら、
メールを受け取った側の精神状態に強く由来していたに違いありません。

例えば、彼女が彼に向かって連想した“致し方がなく”の思想もどうも、
彼女の所持していた側の感情であったようでした。彼女はむしろ、
自分が結婚に焦っているので致し方が無く、彼と・・というところがあったようなのです。
この知人の追い詰まった気持ちや寂しさも痛い程にわかったのですが・・、
私は、知人の自分の誤解を認める余裕を欠いている点を一番気の毒に思ったのでした。
この両者の場合は恋愛未満の関係性であったとはいえ3年目くらいまでは、人間同士が、
互いの関係性に欠けている領域をお互いの良心的なイマジネーションで補い合うことによって、
親密性を築かない程度の体面の良い関係性を継続することは可能なのです。
言うなれば、相手や相手を思う自分の心を繋ぎとめておくことができるのです。
ただ、異性幻想のイマジネーションのみに依存し過ぎると3年目前後を境にして、
人を見る目が狂うのは男女共に言えることでもあります。

この3年間かかってその3年に何も懸けてこなかった両者を前にしてますます、
私には、恋愛コミュニケーションに対しての疑問が強く深まってしまったのでした。
何故ならば、ものすごーく思ってしまったのです。
知人の話を聞けば聞く程に二人は一体、二人の何を見てきたのだろう・・と。
いや、そもそも見ようとしていたのだろうか等と私が悩んでしまいました。
相手に自分のイマジネーションを被せて取り繕うことに忙しかった3年間、
その限りにおいてはそれなりに恋人候補がいないわけでもないという、
ある種のメリットもそこにはあったのでしょう。
この片すみに最も置き去りにされていたものが、3年目以降を持たせるための真の絆作りでした。
この絆を作るとはどういったものを言うのでしょう??
このサイトでは、ここを考えていきたい
と思います。
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